確約利用割引

Autopilot

このページでは、Compute Engine のフレキシブル確約利用割引（フレキシブル CUD）と Google Kubernetes Engine（GKE）Autopilot CUD が GKE Autopilot クラスタでどのように適用されるのかについて説明します。GKE Standard クラスタの CUD については、Compute Engine の確約利用割引料金をご覧ください。

フレキシブル CUD と GKE Autopilot CUD は費用ベースの CUD であり、指定された期間にワークロードの使用を確約することで、大幅な割引を受けることができます。

GKE Autopilot クラスタのコミットメントは、お客様の使用要件に応じて、次のいずれかの方法で購入できます。

フレキシブル CUD	GKE Autopilot CUD
フレキシブル CUD の対象となる次のいずれかのプロダクトの予測可能な費用に適用されます。 GKE Standard GKE Autopilot Cloud Run Compute Engine	Accelerator クラスを使用しないスケールアウト Pod や GPU Pod など、フレキシブル CUD の対象ではない Autopilot リソースの予測可能な費用に適用されます。
Cloud 請求先アカウントの任意のリージョンとプロジェクトに適用されます。	Cloud 請求先アカウントの特定のリージョン内のすべてのプロジェクトに適用されます。
1 年間のコミットメントの場合、オンデマンド料金に対して 28% の割引。 3 年間のコミットメントの場合、オンデマンド料金に対して 46% の割引。	1 年間のコミットメントの場合、オンデマンド料金に対して 20% の割引。 3 年間のコミットメントの場合、オンデマンド料金に対して 45% 割引。

対象となる SKU の一覧については、GKE CUD の対象となる SKU をご確認ください。

フレキシブルコミットメントと Autopilot コミットメントは、どの Cloud 請求先アカウントからでも購入できます。割引は、その Cloud 請求先アカウントによって支払われたプロジェクトで対象となる使用量に適用されます。

コミットメントの費用と料金に関する以下の考慮事項に注意してください。

コミットメントの超過分に対しては、オンデマンド料金で請求されます。
コミットメントを購入すると、該当する使用量の料金が変更されても、コミットメント期間中はずっと同じコミットメント料金を支払うことになります。
料金が変更された場合でも、該当する使用量には同じ割引率が適用されます。
コミットメント料金は月単位で請求されます。

請求の詳細については、費用ベースの確約利用割引の効果を分析するをご覧ください。

割引の適用順序

Google Cloud ではまず、CUD コミットメントに対して Autopilot 割引を適用して使い切ります。既存の Autopilot コミットメントの対象外となる利用分については、新しいフレキシブル CUD が適用されます。追加でリソースを使用した結果、確約した時間当たりの使用額を超過した場合、超過使用分にフレキシブル CUD は適用されません。

Compute Engine フレキシブル CUD

Compute Engine フレキシブル CUD は費用ベースの CUD であり、指定された期間にワークロードの使用を確約することで、大幅な割引を受けることができます。

フレキシブル CUD の料金

Cloud 請求先アカウントに対してフレキシブルコミットメントを購入する場合、1 年間または 3 年間の契約期間で、GKE Autopilot クラスタの 1 時間あたりの最低利用額を確約することになります。この場合、コミットメント期間中は、1 時間あたりの割引価格の指定された最低額に相当するリソースの使用を確約することになります。時間あたりの使用量を確約することで、次の割引が適用されます。

28% 割引: この割引は 1 年間の契約に適用されます。契約期間中、確約した時間あたりの使用額として、GKE CUD 1 年間の料金（使用量モデル ID D97B-0795-975B）をお支払いいただきます。
46% 割引: この割引は 3 年間の契約に適用されます。契約期間中、確約した時間あたりの使用額として、GKE CUD 3 年間の料金（使用量モデル ID 70D7-D1AB-12A4）をお支払いいただきます。

購入したコミットメントは、購入後 1 時間以内にアクティブになります。割引が適用された 1 時間あたりの使用量がコミットメント料金になり、この料金が毎月請求されます。コミットメント料金は、コミットメント期間を通じて 1 時間あたりの最低使用額を維持します。リソースを使用しなくても、最低使用額分の料金を支払う必要があります。

コミットメント期間中にリソースのオンデマンド料金が変更されても、コミットメント料金は変わりません。

フレキシブル CUD の適用対象使用量

Scale-Out コンピューティングクラスや、Accelerator クラスを使用しない GPU Pod には、フレキシブル CUD は適用されません。これらのユースケースで Autopilot CUD を使用する場合は、2024 年 10 月 15 日までコミットメントを購入できます。

また、フレキシブル CUD は、クラスタ管理料金、Spot Pod、GKE Standard モードのコンピューティングノードには適用されません。GKE Standard モードのコンピューティングノードでは、Compute Engine の確約利用割引料金を使用できます。

フレキシブルコミットメントを購入する

フレキシブル CUD では、費用をより柔軟に管理できます。GKE Autopilot クラスタのコミットメントは、どの Cloud 請求先アカウントからでも購入できます。割引は、その Cloud 請求先アカウントで支払われたプロジェクトの対象となる使用量すべてに適用されます。

Compute Engine フレキシブル CUD を購入すると、ユーザーインターフェースに「コンピューティングのフレキシブル確約利用割引」という名前が表示されます。

Cloud 請求先アカウントの GKE の確約利用割引を購入または管理するには、費用ベースのコミットメントを購入するの手順に沿ってお手続きください。

以降のセクションでは、Compute Engine フレキシブル CUD の料金、1 時間あたりの割引コミットメントの計算、推奨事項について説明します。

フレキシブル CUD の 1 時間あたりのコミットメントを計算する

既存のコミットメントを適用する各リージョンのすべての GKE Autopilot クラスタにおいて、GKE Autopilot Pod vCPU と Pod メモリの 1 時間あたりの基準となる料金を計算し、それらの数値を合計して 1 時間あたりのコミットメント額を決定します。この上限を超えると、通常のオンデマンド料金で請求されます。

例:

2 つの異なるリージョンで、それぞれ合計 97.5 個の Pod vCPU と 121 GB の Pod メモリを実行しているとします。Autopilot クラスタはリージョン us-central1（アイオワ）と asia-southeast1（シンガポール）に配置されており、1 年間の CUD を購入します。

料金表から、[コンピューティングフレキシブル CUD - 1 年間] 列を使用して、リージョンごとの 1 時間あたりのコミットメントの合計費用を計算できます。

アイオワ
- 97.5 × ($0.0445/vCPU - 28% 割引)/時間 = 約 $3.1239/時間
- 121 × ($0.0049225/GB - 28% 割引)/時間 = 約 $0.4289/時間
- 確約利用の 1 時間あたりの料金では、合計 $3.5528（1 時間あたり）
シンガポール
- 97.5 × ($0.0549/vCPU - 28% 割引)/時間 = 約 $3.854/時間
- 121 × ($0.0060729/GB - 28% 割引)/時間 = 約 $0.529/時間
- 確約利用の 1 時間あたりの料金では、合計 $4.383（1 時間あたり）

両方のリージョンの 1 時間あたりのコミットメントの合計: $7.94/時間。

毎月の費用の計算（1 か月あたり 730 時間とする）:

アイオワ
- オンデマンド料金 = $4.935（1 時間あたり） × 730 時間 = 約 $3,602.55（1 か月あたり）
- 1 年間のフレキシブル CUD 割引（28%）適用後 = 約 $2,593.84（1 か月あたり）
- 月額 $1,008.71 の節約になります。
シンガポール
- オンデマンド料金 = $6.088（1 時間あたり） × 730 時間 = 約 $4,444.24（1 か月あたり）
- 1 年間のフレキシブル CUD 割引（28%）適用後 = 約 $3,199.85（1 か月あたり）
- 月額 $1,244.39 の節約になります。

両方のリージョンで節約される費用の合計額: $2,253.10（1 か月あたり） × 12 か月 = $27,037.20（1 年あたり）。

コミットメントを購入すると、実際の vCPU 数または RAM 数を停止またはスケールダウンした月でも、同額の料金が請求されます。

GKE Autopilot CUD

GKE Autopilot CUD は費用ベースの CUD であり、ワークロードを特定の期間使用することを確約する代わりに、大幅な割引を受けることができます。

Autopilot CUD の料金

Autopilot CUD では、次の割引が提供されます。

20% 割引: この割引は 1 年間の契約に適用されます。契約期間中、確約した時間あたりの使用額として、GKE CUD 1 年間の料金（使用量モデル ID 2F93-FEF4-BD6E）をお支払いいただきます。
45% 割引: この割引は 3 年間の契約に適用されます。契約期間中、確約した時間あたりの使用額として、GKE CUD 3 年間の料金（使用量モデル ID 6E88-5C17-F3E1）をお支払いいただきます。

料金の詳細については、確約利用割引の料金をご覧ください。

Autopilot CUD に関する注意事項:

Autopilot Pod の CPU、メモリ、エフェメラルストレージにのみ適用されます。
クラスタ管理料金または GKE Standard モードのコンピューティングノードには適用されません。
特定のリージョン内のすべての Autopilot ワークロードに適用されます。
1 時間あたりの割引コミットメントの料金（米ドル）で計算されます。

Autopilot CUD の適用対象使用量

Autopilot CUD は以下に適用されます。

確約したリージョンのすべての Autopilot Pod ワークロード CPU、メモリ、エフェメラルストレージの使用量。
Performance コンピューティングクラスの Pod の場合、Autopilot CUD は Autopilot プレミアムにのみ適用されます。Compute Engine 確約利用割引を個別に購入して、Performance コンピューティングクラスの Pod を実行する Compute Engine VM に適用できます。フレキシブル CUD は常に Autopilot プレミアムに適用されます。また、リソースがフレキシブル CUD の対象である場合は、その基盤となるリソースにも適用されます。
Accelerator コンピューティングクラスの Pod の場合、CUD は Autopilot プレミアムにのみ適用されます。Accelerator コンピューティングクラスの Pod を実行する Compute Engine 仮想マシンには、Compute Engine リソースベースのコミットメントを個別に購入できます。

Autopilot CUD は、クラスタ管理料金、Spot Pod、GKE Standard モードのコンピューティングノードには適用されません。GKE Standard モードのコンピューティングノードでは、Compute Engine の確約利用割引料金を使用できます。

GKE Autopilot コミットメントを購入する

Autopilot CUD を購入すると、ユーザーインターフェースに「Kubernetes Engine（Autopilot モード）」という名前が表示されます。