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おしぼりさんの映画レビュー・感想・評価

おしぼり

おしぼり

37セカンズ(2019年製作の映画)

3.7

本作は、いわゆる「障害を乗り越える感動作」といった“感動ポルノ”的な文脈からきっぱり距離を取り、ひとりの女性の切実な欲望と自己決定の物語として、ポップでエネルギーに満ちたエンターテインメントへと昇華さ>>続きを読む

化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)

3.6

本作は、ロトスコープという少し変わった技法によって、「夏休みのジュブナイル」を独特の手触りで描いています。
南伊豆を思わせる港町・池照町を舞台に、37歳の化け猫あんずとかりんという少女が、だらしない日
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.5

本作は、現代のオスロで生きる30歳手前の女性ユリエが、恋愛や仕事を転々としながら「自分はいったい何者なのか」に行き当たるまでを描く物語です。ロマンティック・コメディのような軽やかな顔をしつつ、その奥で>>続きを読む

クロエ(2009年製作の映画)

3.2

成功した産婦人科医キャサリンと、大学教授の夫デビッド、思春期の息子マイケル。ガラス張りのモダンな邸宅に暮らすこの家族は、一見すると安定した中流上層の理想的な家庭に見えます。ただ、夫のスマートフォンに残>>続きを読む

カラーパープル(1985年製作の映画)

3.5

本作は、20世紀初頭のアメリカ南部を舞台に、黒人女性セリーの人生を長い年月にわたってたどっていきます。家庭内暴力、貧困、人種差別といった重たいテーマを多く抱えながらも、語り口そのものはかなりクラシカル>>続きを読む

カラダ探し(2022年製作の映画)

2.0

本作は、タイトルや設定から連想される「じっとりしたJホラー」よりも、最初から「若手キャストによるアトラクション映画」として設計されている作品に見えました。夜の校舎を舞台にした“死に戻り”ホラーという素>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

4.8

本作は、宇宙戦争や荒廃した未来ではなく、「きれいで静かな管理社会」を舞台にしたSF映画として描かれています。そこでは、人を選別する基準が「学歴」や「コネ」ではなく、ほぼすべて「DNA」に置き換えられて>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.6

本作は、18世紀イギリス宮廷を舞台に、病に蝕まれたアン女王のもと、幼なじみで側近のサラと、没落貴族の娘アビゲイルが“お気に入り”の座をめぐって争う物語です。ただ、そこで交換されているのは政治思想や高邁>>続きを読む

HELP/復讐島(2026年製作の映画)

3.5

パワハラ上司と社畜部下が飛行機事故で無人島に取り残される、という導入だけ聞くと、かなり分かりやすい「上司ざまあ系」サバイバルものに思えます。実際、企業オフィスから嵐の機内、そして孤島へという流れは、古>>続きを読む

トゥギャザー(2025年製作の映画)

3.8

本作は、「ふたりでいること」の行き着く先を、かなり極端なかたちで可視化したロマンティック・ボディホラーだと感じました。長く続いた関係のなかで、情と惰性、安心と閉塞のあいだを揺れているカップルに、「本当>>続きを読む

E.T.(1982年製作の映画)

3.5

本作は、「少年と異星人の友情」という分かりやすい枠組みを取りながら、家族の中に生まれた空白と、そこをどう埋めていくかにも触れている作品だと思います。郊外の一軒家という小さなスケールの世界に、外から来た>>続きを読む

超かぐや姫!(2026年製作の映画)

2.5

本作は、日本最古の物語を現代の配信文化やボカロ文脈と結びつけた、かなり「今っぽい」企画の作品だと感じました。山下清悟監督の長編デビュー作として、映像と音楽のクオリティは期待通りで、仮想空間「ツクヨミ」>>続きを読む

レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

3.7

本作は、1930〜40年代の連続活劇の記号を土台にしつつ、撮影・編集・音楽のレベルを高く保つことで、「現代アクション映画のひとつの出発点」として位置づけられている理由がよく分かるつくりになっていると感>>続きを読む

1941(1979年製作の映画)

3.2

本作は、戦争を「外敵との戦い」として整頓するのではなく、恐怖が共同体の内部で増殖していく過程そのものを、実写のドタバタとして肥大化させた作品に感じました。真珠湾攻撃直後という設定が与えるのは英雄譚の緊>>続きを読む

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

4.0

本作は「逃走劇」を骨組みに、家族と制度、そしてメディアの視線までを一つの画面に束ねていく、スピルバーグの劇場長編デビュー作です。とりわけ印象的なのが、低速のキャラバンのように続くパトカーの列で、ここで>>続きを読む

RED ROOMS レッドルームズ(2023年製作の映画)

4.0

本作はサイコスリラーや法廷劇の体裁を借りながら、現代の視線そのものを主題に据えています。被告席の連続殺人犯ルドヴィク・シュヴァリエよりも、傍聴席から彼を見つめるケリー=アンの無表情が、ずっと不穏に張り>>続きを読む

ホーンズ 容疑者と告白の角(2013年製作の映画)

3.0

本作は、ダニエル・ラドクリフが「ハリー・ポッター」という巨大なキャリアからの脱却を図り、あえてインディペンデント色の強いジャンル映画に踏み込んだ、異色のダークファンタジーです。

アレクサンドル・アジ
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日本のこわい夜(2004年製作の映画)

3.0

2004年にTBSで放送されたテレビ特番ですが、今見返すと「監督のメンツが豪華すぎる」ことに驚かされます。『リング』や『呪怨』などを手がけた一瀬隆重のプロデュースのもと、当時Jホラーブームを牽引してい>>続きを読む

復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

4.0

本作は、復讐を「感情の爆発」ではなく、社会が人に強いる手順として提示しているように感じました。そのため、復讐がカタルシスとして成立する余地は薄く、貧困や格差、制度の不在、偶発のタイミング、そして断絶が>>続きを読む

レスラー(2008年製作の映画)

3.8

かつての栄光にすがる一人のレスラーの姿を通して、現代社会における「老い」と「居場所の喪失」を、過度にドラマ化しない筆致で描いています。主演のミッキー・ローク自身の人生が主人公ランディに重なり合い、フィ>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.0

本作は、従来の青春映画が採用してきた「挫折を経て成長する」というビルドゥングスロマンの定型を脱構築し、バブル崩壊後の日本社会における閉塞感と、成熟することの不可能性を冷徹に描出しているように見えました>>続きを読む

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.7

本作は、説明を削ぎ落とし、「沈黙と反復」だけで「恋愛と生活の手触り」を組み上げていくところが印象的でした。物語は驚くほど細いのに、画面の中で繰り返される行為が、いつの間にか感情の量へ変換されていきます>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

5.0

本作は、異世界ファンタジーの形式を取りながら、10歳の主人公が社会の手続きを学び直す過程として構成されています。千尋は才能や武力で状況を打開するのではなく、契約と労働を通じて立場を確保し、礼儀や段取り>>続きを読む

永遠のこどもたち(2007年製作の映画)

4.0

本作は、ゴシック・ホラーの形式を採りつつ、主眼を「怪異の正体」ではなく「喪失の処理」に置いた作品だと思います。孤児院という閉鎖空間を舞台に、母親ローラの探索が進むほど、外部の脅威よりも、家族関係と記憶>>続きを読む

スパイダーマン(2002年製作の映画)

4.0

本作は、ヒーロー映画の成功モデルとして語られやすい一方で、作品内部の強さは「力を得たこと」そのものではなく、「力が発生させる責任と、その責任が生活をどう破壊するか」を物語の中心に据えた点にあるように思>>続きを読む

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

3.5

本作は、恋愛映画の体裁を取りつつ、「運命の出会い」を派手に演出するより先に、出会いが“ただの出来事”として通り過ぎていく感じを丁寧に描いています。街頭アンケートの声かけ、手に書かれた「シャンプー」のメ>>続きを読む

28年後... 白骨の神殿(2026年製作の映画)

3.0

本作は、感染パニックの加速感よりも、崩壊後に人間が構築する秩序の暴力性へ重心を移した第2章です。前作が「生存」と「逃走」の推進力を軸にしていたのに対し、本作は「共同体」「信仰」「儀式」に焦点を絞り、ホ>>続きを読む

ウォーフェア 戦地最前線(2025年製作の映画)

-

本作は、まず「映画として受け取っていいのか」という感覚を、正面から発生させる作品でした。物語の起伏や説明、主張を削り、2006年のラマディでの一日をほぼ実時間の連続として差し出してくる。起承転結ではな>>続きを読む

万事快調<オール・グリーンズ>(2026年製作の映画)

4.0

本作は、若者の「選択肢の欠落」を起点に、逸脱行為がどうして“合理的な手段”に見えてしまうのかを描いた作品だと受け取りました。題材としての☓☓☓栽培は刺激的ですが、焦点はスキャンダルというより、「正攻法>>続きを読む

スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

3.0

本作の面白さは、現実の街にゲームと漫画のルールをそのまま貼り付けてしまうところにあります。ラモーナと付き合うには「邪悪な元カレ7人」を倒さないといけない。冷静に書くと無茶な設定ですが、その無茶さが、恋>>続きを読む

死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

3.5

本作は、ホラーとコメディを交互に配置するのではなく、同一の出来事を「恐怖」と「滑稽さ」の両方として成立させているところがまず印象的です。スプラッター描写は過激ですが、狙いは残酷さの誇示というより、身体>>続きを読む

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.5

本作は、過剰なまでに様式化された「ジャンル映画の文法」を、英国の牧歌的な閉鎖空間へ暴力的に接合することで、共同体が抱える排他性と、正義の執行における倫理的アポリアを鮮烈に浮かび上がらせています。

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とれ!(2026年製作の映画)

3.0

YouTuber出身監督の映画と聞いて、「ファン向けの長尺動画だろう」と高を括っていると、良い意味で予想を裏切られます。単なるファンムービーの枠を超え、独特の「気まずさ」と「不気味さ」が終始漂う、本格>>続きを読む

猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

3.5

本作は、「未完成映画予告編大賞」という特殊な出自を持つ作品ですが、その成り立ち自体が、「何者かになろうとあがき、未完成なままの自分を必死に肯定しようとする若者たち」というテーマと、痛いほど重なって見え>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.8

本作は、高度な科学的合理性に守られた現代の医師が、前近代的な「因果律」というルールによってその基盤を突き崩されていく過程を、冷徹な観察眼で描出しています。

表層的には、謎の少年の介入によって家庭が脅
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.3

本作は、「独身は罪」とされ、45日以内にパートナーを見つけられなければ動物に変えられる世界を舞台にした、ディストピア風のブラックコメディです。主人公は“ホテル”という矯正施設に収容され、「共通点(近視>>続きを読む