ラフな普段着の代名詞的だったデニムの装いが洗練されてきました。オフィス使いも視野に入るほどのグレードアップは米国、欧州、日本で同時進行中。カジュアルウエアのイメージが強かったジーンズ(デニムパンツ)もドレッシーに着こなすおしゃれ上手が増えてきました。エグゼクティブ女性のマルチ使いにも役立ちそうな新顔スタイリングを、米欧日の3ブランドから読み解いていきます。
デニムで広がる 新しいおしゃれの可能性
今回、新しいデニムスタイルのヒントを求めたのは、米欧日の3ブランドです。
米国の老舗「LEVI'S(リーバイス)」、フレンチシックが持ち味の「A.P.C.(アー・ペー・セー)」、日本発のモダンデニムブランド「RED CARD TOKYO(レッドカード トーキョー)」をピックアップ。
いずれもデニムに定評のあるブランドですが、それぞれに異なる個性と強みがあります。デニムの装いに新たな選択肢を加えたい人や、大人流の「きれいめデニムルック」に挑戦したい人にとって、きっと参考になるはずです。
米国発LEVI'S(リーバイス) 清涼感も
デニムブランドの代表格といえば、やはり「LEVI'S(リーバイス)」でしょう。リベット(鋲=びょう)を初めてデニムに取り入れたことで知られる、伝説的な存在です。大人が胸を張ってまとえる点でも特筆に値します。
エグゼクティブ層のカジュアルスタイルにもマッチ
パンプスで合わせてキリリとした雰囲気に
上下をトーンの異なるブルー系でまとめた、清涼感の高いコーディネートです。襟付きのシャツは「きちんと感」が備わるチョイス。裾幅に余裕を持たせたシルエットが自然な落ち着きを印象付けました。
クールな色合わせとしなやかなシルエットはエグゼクティブ層のカジュアルスタイルにもマッチします。
短めのジャケットとのセットアップ シックな着映えに
裾広がりのシルエットで優美なレッグラインを演出
ウオッシュ(洗い)をかけて色落ちさせたデニムはカジュアルでラフな印象が強くなりがちです。けれども、深みのあるダークカラーのジーンズなら、印象がぐっと引き締まり、デニム特有のカジュアル感が目立ちにくくなります。気負わないムードの「抜け感」が加わるのもいいところです。
トップスやジャケットを同系色でそろえると、統一感が生まれ、スタイリング全体が洗練された印象に。落ち着きのある色合いを軸にすれば、仕事終わりのイベントにもなじむ雰囲気が漂います。着丈が短めのジャケットとのセットアップなので、デニムとは思えないほどシックな着映えに仕上がりました。
新プレミアムライン「ブルータブ」 装いに気品添える
日本の職人技を注ぎこんだ大人向けデニムを提案
バックポケットに縫い付けたタブは「リーバイス」の象徴です。青い「ブルータブ」が目印の新プレミアムラインは、日々の装いに気品を添えてくれそう。今シーズンは「マリン」がテーマです。ウィメンズでは優美にカーブを描くシルエットを打ち出し、細部にまでこだわりが光ります。
「リーバイス」が2025年春夏シーズンからスタートさせた「ブルータブ」はドレスアップデニムという新しい位置付けを提案しました。これまでのデニムウエアとは一線を画した、大人がきれいに穿(は)けるジーンズです。